急性胃炎3 急性胃粘膜病変 (AGML)

概説

AGMLとは?

急性胃粘膜病変(AGML= acute gastric mucosal lesion)は急性胃炎の重症型です。心窩部(みぞおち)の強い痛み、吐き気、膨満感などで急に発症し、内視鏡検査の結果、胃の粘膜に広範にびらんや潰瘍をみとめるものです。

内視鏡が普及する以前は「症状の強い急性胃炎」「急性多発性胃潰瘍」として扱われていました。内視鏡検査で胃粘膜の状態を詳しく観察できるようになり、その概念が知られるようになりました。

症状は急激に悪くなり、強い痛みで食事が摂れなくなります。ときに多量の吐血や下血をともなうようになります。重症になると入院措置が必要です。

原因

AGMLの多くはストレス、アルコール、刺激物の過量摂取、薬剤、寄生虫を含めた感染症などが原因です。急性胃炎とその発症の原因は変わりません。

治療

AGMLの治療

吐き気や嘔吐がつよいときには、明らかな吐下血がなければ、まずは輸液をして全身状態の改善を待ってから検査を行います。もちろん、吐下血や嘔吐が頻繁で、全身状態が不安定なときは急いで検査をすすめなければいけません。

まずは内視鏡検査を緊急で行い、潰瘍の範囲や出血の程度を正確に診断します。潰瘍から大きな動脈性の出血があれば、内視鏡下に止血をおこないます。アニサキス(鯖やイカに多い)などの寄生虫が発見できれば、それを摘出することもできます。

AGMLの急性期は薬の服用ができない場合がおおく、胃酸を抑える薬を点滴で行います。広範な胃潰瘍、びらんをともなうときは、止血剤(トロンビン)を胃内に散布したり服用したりします。

症状が安定し、服薬できるようになれば、制酸剤と胃粘膜保護剤を主に用います。AGMLは発症し悪くなるときも早いですが、回復するのも早いのが特長です。

しばらくの間だけ薬を服用し、症状がなくなれば休薬できます。いったん治癒してしまえば、通常の胃潰瘍のように再発したり慢性化することはまれです。

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