ここでは日頃、外来でよくある質問につき説明します。
胃疾患について
Q1 胃の検査を受けたいのですが?
Q2 胃がいたむときの診察はどうしますか?
Q3 胃カメラは大変な検査ですか?バリウム検査はどうですか?
Q4 鼻からの胃カメラは保険が効きますか?
Q5 ピロリ菌の検査は予約が必要ですか?
Q6 夜の外来で胃カメラはうけられますか?
肛門疾患について
Q7 肛門科は保険診療ですか?
Q8 肛門外来での診察はどうしますか?
Q9 できれば手術したくないのですが?
Q10 肛門手術の麻酔はどうしますか?
Q11 肛門手術の体位はどうですか?
Q12 肛門手術にはどんな合併症がありますか?
Q13 肛門手術に入院は必要ですか?
Q14 日帰り手術のメリット、デメリットは?
飯原医院について
Q18 高血圧、糖尿病などの内科疾患の診療は可能でしょうか?
Q19 午後の時間帯に診療はしてもらえますか?
Q20 CTを予約するにはどうすればよいですか?
Q21 整形外科の診療はどうなっていますか?
Q22 整形外科のリハビリテーションはどうなっていますか?
Q1 胃の検査を受けたいのですが?
上腹部に違和感を感じたり、痛みを覚えるときには胃の検査がのぞましいです。胃の検査には、従来よりバリウムを利用した「バリウム検査」と、内視鏡を利用した「胃カメラ」があります。
バリウム検査は検査後に便秘になったり、検査で異常があった場合は「胃カメラ」が必要となります。また、「胃カメラ」でしか診断できない疾患もたくさんありますので、胃の検査は当院では内視鏡検査をおすすめしています。
院長は胃の内視鏡検査については、2007年末現在で5000例以上の経験を有します。他院で検査を受けた方でも当院で検査を受けると「胃カメラって楽な検査だったのですね」とよく言われます。
とくに「胃カメラで吐き気を覚えるのがつらい」「どうしても胃カメラは苦しいイメージがある」「他院で胃カメラを受けてつらい思いをした」というひとには、鼻から挿入する超極細内視鏡も用意しています。
興味をお持ちの方は、「経鼻内視鏡とは」の頁もご参照下さい。右のナビゲーションの「鼻から胃カメラ」をクリックして頂いてもけっこうです。
Q2 胃がいたむときの診察はどうしますか?
まず、一番大事なのは、「今痛んでいるのが、本当に胃なのかどうか?」です。鳩尾のあたりが痛むときに、多くの人は「胃が痛いんです」とおっしゃります。
しかし、現実には上腹部が痛む疾患は必ずしも胃だとは限りません。胆嚢、膵臓もおなじようにお腹の上の方が痛むからです。ただ、痛み出してすぐ、では、胃がからっぽでなければ胃の検査はできません。
ですから胃の病気かどうか、症状だけではわかりにくいときは、ほかの病気でないかどうか、をまず調べます。血液検査や腹部超音波検査、レントゲンなど組みあせて考えるのです。
Q3 胃カメラは大変な検査ですか?バリウム検査はどうですか?
バリウム検査と胃カメラの長所、短所については、別項でくわしく解説しています。バリウム検査ではわからない病気もたくさんあり、いまは胃の検査としてバリウムを勧める消化器専門医はありません。
胃カメラは当院では口から入れるカメラと鼻から入れるカメラを利用しています。それぞれ、長所短所があり、患者さんの症状にあわせて適宜つかいわけています。
Q4 鼻からの胃カメラは保険が効きますか?
検診を目的とした場合は、本来は保険診療ができません。ただし、上腹部の不快感や痛みなど、上部消化管疾患を疑わせる症状が少しでもあれば、もちろん保険が利用できます。
診察料や内視鏡検査にかかる費用以外に、病理組織検査診断料などがかかる場合があります。
Q5 ピロリ菌の検査は予約が必要ですか?
ピロリ菌の検査については、別項でくわしく解説しています。種々の検査法がありますが、いちばん簡便で確実なのはウレア呼気テストです。この検査法は朝より絶飲絶食で来ていだだければ、原則として予約は必要ありません。
ただし、ピロリ菌の検査や除菌を行う前には、まず現在の胃の状態を把握しておく必要があります。早期癌が隠れていないかどうか、まずは診断をつけてからピロリ菌の検査をすべきです。
できれば検査以前に一度外来を受診してください。
Q6 夜の外来で胃カメラはうけられますか?
胃カメラは絶飲絶食が必要ですので、基本的には午前中の予約検査となります。もちろん、吐血や下血が疑われ、緊急に診断をつける必要がある、と医師が判断した場合は、当日に施行いたします(あくまで、その判断は医師に委ねて頂きます)。
どうしても夜しか時間がとれない場合には、夜診の時間帯にも内視鏡検査は可能です。朝食を早めの時間に消化のよいものだけ摂って頂き、その後は水分のみとします。予約時間の3時間前からは絶飲とすれば、夜でも検査可能です。
ただし、他の患者さんの診察もございますので、当日多少お待ち頂くこともありますので、ご了承下さい。
Q7 肛門科は保険診療ですか?
日本では手術技術料が欧米などと比較して、非常に安く設定されています。このため、医療行為に不確実性、リスクがつきものであることも考え、自費診療を選択する施設もあります。
実際に肛門科でも保険がきかないクリニックがたくさんありますが、現在は保険診療と自費診療の肛門科での診療内容はほとんど変わりません。
当院では患者負担の軽減を優先して考え、一部の例外をのぞき保険診療で行っています。
Q8 肛門外来での診察は?
まず、患者さんの症状を聞きます(問診)。いつからどのような症状があるか、その症状は時間とともに悪化しているか、ふだんの排便習慣はどうか、などはあらかじめ整理して下さい。受診前には排便をすませておきましょう。
ついで診察です。診察台に左側を下にして、横になります。肛門周囲をよく観察してから、肛門指診をおこないます。痛みが強くないときは、ついで肛門鏡あるいは直腸鏡で肛門内部を観察します。
最後に診察結果についてお話しします。どのような疾患が考えられるか、どのような治療法が選択できるか、追加の検査が必要か、なども説明があります。
Q9 できれば手術したくないのですが?
もちろんです、切らずに治るものは切らずに治すのが鉄則です。じっさいに、肛門疾患の多くは手術しなくても生活習慣の見直しや投薬で改善します。
ただし、慢性化したものや症状の強いものでは、残念ながら手術しないと治りません。いたずらに時間を費やすことで、かえって病状が複雑となることもあります。「思い切って手術を受けてよかった」「もっと早く手術をうければよかった」という声がたいへん多いのも間違いありません。
Q10 肛門手術の麻酔はどうしますか?
当院では腰椎麻酔(サドルブロック)を原則としています。肛門周囲だけにじゅうぶんな麻酔をかけ、もちろん手術中はまったく痛みはありません。
術後4時間ほどで麻酔効果がきれ、排尿など問題がないことを確認してから帰宅となります。医療費負担をかんがえても、一番コストパフォーマンスが高い麻酔法でしょう。
なお、その他の麻酔法については、「イラストでみる大腸肛門病」のよくある質問の頁にも詳しく記していますので、ご参照下さい。
Q11 肛門手術の体位はどうしますか?
当院では、手術台に足を閉じた姿勢でうつぶせになるジャックナイフ体位をもちいています(砕石位をとる施設も少なくありません)。
肛門周囲だけがみえるように、ドレープ(覆布)をかけます。術者は患者さんの横に立って横から見下ろす形で手術をします。若い女性の方でも、精神的な抵抗がもっとも少ない体位です。
肛門手術に要する時間は、内痔核の根治術で15-30分を目安と考えてください。
Q12 肛門手術にはどのような合併症がありますか?
術後早期の一時的な合併症では、腰椎麻酔後に頭が痛くなったり、尿が出にくくなったりすることがあります。このうち、腰椎麻酔後頭痛症は日帰り手術をする上で、いちばん大きな課題でした。
排便時の多少の出血は自然に止まることが多く、心配ありません。ただし1%前後の頻度ですが、内痔核の根部血管から動脈性の出血をきたすことがあります。この場合は、止血処置を要します。
また、術後の創汚染に対しての処置が不十分だと創感染がおきることがまれにあります。傷がはれて痛み、膿がつきます。
よくある患者さんの心配のひとつが、「術後におしりがゆるくならないか?」です。じっさいは、重症の痔瘻を手術し肛門括約筋を広い範囲で切断しなければならない時以外には、おしりが緩んだりすることはまずありません。
結論として、手術法の進歩もあり、10年前とくらべても合併症の頻度はたいへん減っています。(ただし、最近になり新しく行われている手術法では、短期でもいろいろ合併症が報告されており、長期の予後や合併症については今後の検討が必要です。)
Q13 肛門手術に入院の必要は?
肛門手術で入院しなければならない理由として、腰椎麻酔後頭痛症がありました。これは、脊髄周囲の髄液が減少することでおきると考えられています。
当院では髄液の漏出を極力おさえる特殊なペンシルタイプの脊椎麻酔針を使っています。このため腰椎麻酔後頭痛症は、当院ではほとんどみられません。
その他の合併症も治療法の進歩により激減している今、どうしても入院が必要になる肛門疾患としては、一部の複雑痔瘻などに限られてきました。
Q14 日帰り手術のメリット、デメリットは?
日帰り手術の一番のメリットは、ふだんの生活から離れずにすむこと。やはりご自分の枕で寝て、ご自分のトイレで用を足し、ご自分のシャワーをゆっくり使えるのは、なによりだ、と言われます。また、家庭の事情でゆっくりと入院できない人には、通院で手術できることは大きなメリットです。
また、医療費が大いに節減できるという意味で、時代のニーズにあっています。ちなみに、欧米では医療費が日本よりも高いために、肛門手術は長くても一日入院(day surgery)があたりまえです。
一方で、術後出血(1%前後)などの万一の合併症に対応が遅れる場合が考えられこと、術後早期に通院で安静にしにくいことはデメリットでしょう。ただし、全身麻酔の胆石手術など、もっともっと大きな手術さえ日帰り手術の対象となってきている昨今、「肛門手術は日帰りがふつう」の時代が必ずやってくると思われます。
Q15 大腸内視鏡検査はどういう人に必要ですか?
以下のような場合は大腸内視鏡検査をうけるべきでしょう。
- 原因不明の腹痛があるとき=特に下腹部を中心としてしぶる痛みのとき
- 明らかな便通の変化があるとき=ふだん便秘の人が下痢しやすくなったとき、ふだん下痢しやすい人が便秘するとき
- 明らかな出血が便に混じるとき=とくに便が赤黒いときや、痛みを伴わず真っ赤な出血が多いとき
- 便潜血検査(大腸癌検診)が陽性のとき=+でも++でも+++でも検査の必要性は同じ
- 血のつながった方で癌患者が複数いるとき=とくに大腸癌患者が2人以上いるとき
以前にポリープを取ったことがある人、炎症性腸疾患の人なども定期的に内視鏡検査を受ける必要があります。このような人は、よく大腸癌が発生するからです。
大腸癌は他の消化器癌とくらべても、おとなしい癌が多いのが特長です。つまり早期に見つければ、ほとんど治ってしまいます。いいかえれば、いかに早く見つけるか、が重要です。
Q16 大腸内規鏡は大変な検査ですか?
大腸内視鏡は個人差の大きな検査です。患者さんの側でいうと、腸の長さや固定の程度、以前に開腹手術歴があるかどうか、で違ってきます。しかし、それよりも術者の経験による差が大きいのです。
胃の内視鏡と比べても、大腸内視鏡は医師の修練が求められる検査です。研修医のいる大病院で運悪く経験の浅い医師にあたると、たしかに大変でしょう。当院では、3000例超(平成17年現在)の経験をもつ副院長が責任を持って担当いたします。
Q17 大腸ポリープはとるべきでしょうか?
大腸ポリープにもさまざまな種類があります。経験を積んだ内視鏡医は、色素をふったり拡大内視鏡をもちいてポリープ表面の紋様から、良性悪性をふくめて正確な診断が可能です。
問題となるのは、癌との区別がつきにくいもの、将来癌化するおそれがつよいものです。このようなポリープは、やはり切除すべきです。
Q18 高血圧、糖尿病などの内科疾患の診療は可能でしょうか?
もちろんです。院長、理事長はともに地域医療へ参画して20年以上のキャリアを持ちます。一般外科医として術前術後を管理する上で、ひろく慢性疾患について研鑽してきました。
また、循環器内科専門医の外来診察を週に3回もうけています。うち一人の先生は当院で診療を始めてから、20年余にもなる方です。安心してお任せ下さい。
かりに症状が増悪し入院を要する場合は、近隣の病院を紹介させて頂きます。
Q19 午後の時間帯に診療はしてもらえますか?
午後の時間帯は、主に予約の患者様の診療を優先して行っております。
午後1時より肛門病などの腰椎麻酔での手術、およそ午後3時前後より大腸内視鏡検査およびポリープ切除術、午後4時半前後には良性皮膚、皮下腫瘍の手術や肛門病の小手術をおこなっております。
外傷や体調がわるくなった方など、急いで処置が必要な方は、まずお電話の上ご来院ください。できるかぎり対応させて頂きます。
ただし、あくまで予約患者様優先となりますので、多少お待ち頂くかもしれません。ご了承下さい。
Q20 CTを予約するにはどうすればよいですか?
CTは頭部から胸部、腹部など、多くの疾患を診断することができます。以前と比べて放射線の被曝量、検査にかかるコストもずいぶんと減りました。
とくに肺疾患については「胸部レントゲンは肺ガンの早期診断に役に立たない」と考えられるようになりました。いまや、人間ドックでの肺検診はCTでおこなう時代となっています。
CTをご予約頂くときには、まずはいつでも結構ですので、外来受診をお願いします。
Q21 整形外科の診療はどうなっていますか?
従来より整形外科疾患には力を注いできました。一般的な骨折、捻挫、脱臼などの急性疾患はもちろん、慢性的な腰痛や肩こり、骨粗鬆症にも対応しています。理事長、院長が主に対応しますが、土曜日には脊椎専門の整形外科医の診療を設けています。
また、手術を要するような重度の外傷、慢性疾患には関連病院を紹介させて頂きます。
Q22 整形外科のリハビリテーションはどうなっていますか?
外傷後の回復を早めたり、慢性の腰痛などについては、理学療法機器を利用した物理療法で対応しています。物理療法はすぐには症状が改善することは多くありませんが、継続することで徐々に症状が緩和されていきます。何度か通院されてあきらめる方もいますが、根気よく通院することをおすすめします。
ただし、理学療法士などによるマッサージには対応していません(2006年現在)。ご了承下さい。