痔の手術にはいくらかかると思いますか?

痔の手術は保険がきかない、また保険ではじゅうぶんな治療がうけられない、という誤解があるようです。日本では昔から、「高かろう、良かろう」「安かろう、悪かろう」という考えがあるためでしょうか?

最近はみなさんのコスト意識が向上していて、よく外来でも質問されますので、ここで痔の手術費用について、かんたんに説明します。

ちなみに当院では、患者負担の軽減を第一に考えて、「日帰り手術」「腰椎麻酔」「保険診療」を原則とした肛門手術をおこなっています。

手術費を考えるときのポイントは

  1. 保険診療か、自費診療か?
  2. 入院治療か、日帰り手術か?
  3. 麻酔法はどうするか?

いちばん手術が多い内痔核根治術を例にとって説明しましょう。

»自費診療のとき

自費診療のクリニックは肛門科では少なくありません。インターネットでも「肛門科」で検索したとき、サイト内で「保険診療します」と記載のないクリニックには、自費診療の施設が多いようです。

費用は施設によりさまざまですが、内痔核根治術で300.000円から500.000円が相場のようです。手術法などでも費用が異なりますので、直接お問い合わせください。

»保険診療のとき

保険診療の場合は、おおむねの費用が決められています。以下にしめす3割が個人負担となります(老人医療では入院、外来で負担が変わります)。

手術技術料

内痔核根治術を例にとると手術代だけで、55.000円(自己負担3割ならば16.000円)前後です。これに麻酔、点滴、投薬、手術前検査料、その他がかかります。さらに入院する場合は入院費や食費が、日帰りの場合は日帰り手術をおこなうためのコスト(日帰り手術加算)などが加わります。

なお、従来の(メスで切って糸でくくる)手術法以外では、レーザー、超音波メス、自動吻合器など特殊な医療機器を使うためのコストがかかる場合もあります(自費)。

入院か、日帰りか

入院する場合は大病院では(施設により差があり)、一日あたり19.980円の入院費に食費が加わります。日帰り手術用の術後観察室が用意されていない病医院では、病室利用に当たり一日分の入院費が加算される場合があります。

なお、個室代など、部屋代は別途に請求されます(自費)。

麻酔は腰椎麻酔か、全身麻酔か

麻酔法でもコストが大きく違います。腰椎麻酔が8.500円、全身麻酔にするとコストが上がり61.000円かかります。

»手術、入院保険の支払いについて

万一にそなえて、医療保険に別に加入されている方も多いと思います。それぞれの保険について規約が異なりますが、痔核、痔瘻については保険が使えることが多いです。いっぽう、肛門周囲膿瘍や裂肛のかんたんな(費用の安い)手術では使えない場合もあります。

最近の多くの医療保険は、日帰り手術でも手術料が請求可能です。ただし、医療保険の支払いはもちろん健康保険での診療が前提ですので、かりに自費診療で500.000円かかっても、医療保険からはそれと同じだけは出ないのが通常です。

例外もありますので、手術を受ける前に必ず、加入されている各保険会社にお問い合わせてください。

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